こんにちは〜!こんばんは〜!まるっピです!
今日は兵庫県立美術館で開催中の特別展、
『藤田嗣治×国吉康雄:二人のパラレル・キャリア ―百年目の再会』
会期:2025年6月14日(土)~8月17日(日)
会場:兵庫県立美術館
に行ってきましたので、感想たっぷりでお届けしたいと思います。
展覧会では基本的に撮影禁止ですが、最後の第9章のみ撮影可能でした。
藤田嗣治といえば「乳白色の肌」で有名な画家。
国吉康雄といえば……実は、今回の展覧会で初めてちゃんと作品を観ました。
入ってすぐに目にした国吉の自画像を見て、ちょび髭に丸メガネの姿に思わず「藤田だ!」と思ってしまいました。
絵のタッチが違うからすぐに気づいたけれど、「これはもう、面白い展覧会になる!」とワクワクが止まりませんでした。
二人の画家が交わった、1925年と“その後”
この展覧会、ただの回顧展ではありません。
藤田嗣治と国吉康雄。
二人は20世紀前半、海外で活躍した画家という共通点を持ちます。
1925年と1928年のパリ、そして1930年のニューヨークで実際に顔を合わせたこともあるそうです。
しかしその後、戦争によって二人の道は分断されます。
1949年、藤田がニューヨークに10カ月滞在したときも、国吉とは再会できず。
でも、もしかしたら、記録に残らないどこかで密かに再会できていたかも?と想像してしまうのも、この展覧会の「再会」という副題の深さかもしれません。
「乳白色の裸婦」と「ブラウンの婦人画」
藤田嗣治の作品は、これまでのいろいろな企画展で何度も観てきました。
ですが今回は、《五人の裸婦》《タピスリーの裸婦》《舞踏会の前》など、大作が勢ぞろい!
繊細な黒線と、まるで透けるような乳白色の肌。この乳白色を作るのがベビーパウダーが使われているなんて、驚きです。そこが藤田の大発見。
藤田オリジナルのキャンバス、日本画の技法を取り入れた胡粉や墨の輪郭線、面相筆で描かれた細かな表現……
オリジナリティあふれる作品たちはため息が出るような美しさがありました。
30代にしてこのスタイルを確立したという事実、そのすごさをあらためて感じました。

一方で、国吉の作品群も驚きの連続。
特に40代ごろの婦人画は、横ストロークの力強いタッチと、ブラウンの重厚な色合いが印象的。
モデルを使うようになってから、リアルさと奥行きが増したとの解説があり、納得の変化でした。
また戦前と戦後の画風の変化には驚きました。
戦後の作品では鮮やかな赤が多く使われていますが、その赤は「明るい色」としてだけでなく、どこか切なさや寂しさ、悲しみを感じさせる、不思議な深みがありました。

並べて観るからこそ見える
この展覧会では、藤田:オレンジ、国吉:水色で作品タイトルの表示が色分けされており、並んで展示されていても混乱しません。
そして、二人の自画像から作られた顔ロゴもとってもチャーミングでした!

藤田と国吉、それぞれの絵のスタイルは全く違うけれど、
どちらも「海外で日本人として生きる」という覚悟がにじみ出ています。
画家として絵を描くだけでなく、自分を売り込む力、ブランディング力にも優れた二人だと感じました。
初めて出会った作品に惹かれて
今回、初めて藤田の戦争画《十二月八日の真珠湾》を観ました。
とても大きな作品で、まるで湿った海風に吹かれながら見下ろしているような、心に冷たさを感じるような不思議な感覚になりました。真珠湾攻撃という歴史の重みが、ズシンと伝わってくるようでした。
また、平野政吉美術財団からお借りしているという「自画像」
とても生活感があって、これまでの作品とは異なる、親しみを感じさせる背景が印象的でした。
国吉の《バンダナを巻いた女》も印象的でした。
感情の見えない女性の曖昧な表情に、なぜか心奪われました。
一見くすんだようにも見える肌ですが、溢れ出る艶感を感じました。
この独特な色使いは「クニヨシ・ブラウン」「クニヨシ・ホワイト」と呼ばれ、高く評価されているそうです。
こういう「初めての作品」に出会えるのも、展覧会の醍醐味ですね。
グッズ

メモ帳やマグネット、ポストカードにトートバックなど、定番を押さえたグッズたちが勢揃いでした。
トートバックには、今回の展覧会のロゴがプリントされていて、とても可愛かったです。
ジャ〜ン!

私は、気に入った絵のポストカードに、帰宅後すぐに飾れる額縁をセットで購入するのが定番です。
おわりに:再会を願って、再び作品に会いに行こう
海外で名を成した日本人画家が、異国の地で自分のスタイルを模索し、
時に交差しながら、でも決して完全には交わらず、
それでも確かに同じ時代を生きた――
そんな二人の「パラレル・キャリア」に、心を打たれた一日でした。
この展覧会は兵庫県立美術館のみでの開催で、巡回なし!
この機会を逃すのは本当にもったいない!
藤田と国吉、おふたりの“再会”に立ち会いたい方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。


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