【上村松園 生誕150年記念展】レビュー〜女性画家の魂が宿る、美しさと気高さに圧倒された展示〜

ミュージアム

こんにちは〜!こんばんは〜!まるっピです!

今回は美人画の女王!

上村松園(うえむらしょうえん)の生誕150年記念展

日時:2025.03.29(土)〜 06.01(日)

場所:大阪中之島美術館

に行ってまいりました!

明治・大正・昭和初期という、まだまだ男性優位だった時代を生き抜いた、ひとりの女性画家の人生と作品たちに、ただただ心打たれました。

そのレビューを、熱量高めにお届けしたいと思います!

男社会で戦い抜いた、ひとりの女性画家の覚悟

松園が生きた時代は、女性が家にいるのが当たり前とされる時代。そんな中、「絵を描きたい」という強い思いを貫き、絵の道に飛び込んだ松園は、周囲から変わり者扱いされたり、男性絵師からの妬みや嫌がらせ、噂話に悩まされていたそうです。

本人はこう語っています。

「戦場だった」

絵の評価以前の問題として、女性であることを理由に戦わなければならなかった…
それでも理想の女性像を描き続けた松園。

魂を削りながらも、絵筆を持ち続けた彼女の覚悟に胸を打たれました。

美しさの探究と、画業への情熱

松園が描く女性たちは表面的な美しさではなく、「うちに秘めた魂の美しさ」が感じられます。

細部へのこだわりが凄まじく、見るほどに引き込まれていくのです。

彼女は「松園の前に松園なし 松園の後に松園なし」と言われるほど、美しさの探究を貫き通した熱いハートの持ち主です。

若き日の才能と、波乱の人生

15歳で「四季美人図」を第三回内国勧業博覧会に出展し、見事受賞。

3人の師から絵を学び、それぞれの長所を自分の中で融合させていったそうです。

1902年には、未婚のまま長男を出産。周囲は騒ぎ立てたものの、松園は一切語らず、作品の制作に没頭していたというエピソードも。

「遊女亀遊」事件と、松園の気迫

ある展覧会に出展した作品に、なんと何者かに落書きをされた松園。

その際、運営側に、「修正して出展してください」と言われた彼女の返答がすごい。

「なめるな!なぜ私が書き直さないといけないのか!」とピシャリ言い放ったんだとか。

落書きされたままの状態で出展され、「落書きごと」購入希望が入り、修正後に納品したとのこと。

このような嫌がらせをたくさん受けてきた松園は
「今に見ろ。思い知らせてやる、と涙と一緒に歯を食いしばらされた事が幾度あったか知りません。」と言葉を残しています。

※参考文献:上村松園『青眉抄』(岩波文庫などで刊行)

表現を深めた能との出会いと、母への想い

時代が大きく動いた大正時代、能を学ぶことで新しい表現にチャレンジします。

今回は見ることができませんでしたが、

  • 「花筐」:精神病院に通って表情を丹念に研究しながら描いた作品
  • 「焔」:光源氏を題材に、生き霊を描いた作品。”泥眼”をヒントに、目の部分に裏側から金色を施した細工がしてあります。「裏彩色」という技法が使われています。

さらに、最愛の母を亡くした悲しみの中で描かれたのが「母子」。会場入ってすぐのところに飾られており、長蛇の列が!

「あぁ〜…。」と吐息が漏れるような、優しい母の眼差し。

時には表に出て松園を守り、時には陰で松園を支え続けてくれた母。そんな母へのリスペクトと愛情が絵の中に滲み込んでいるような作品でした。

文化遺産となっている「母子」は撮影禁止でした。

こちらは「志ゃぼん玉」

こちらも母の優しい顔と子供たちのあどけなさにほっこりする作品。しゃぼん玉が今にも弾けて消えてしまいそうなほどに色使いが繊細でした。

「序の舞」緊張感が走る、強さと美しさの融合

松園の代表作といえば「序の舞」。

着物の美しさにうっとりと思ったのも束の間。その女性の表情を見た瞬間、息が止まるような緊張感が走ります。そんな作品でした。

真剣な眼差しで、スッと息を吸うような気配。握りしめた拳。動けなくなるような緊張感が伝わってきます。そこに描かれていたのは、何者にも侵されない、女性の強い意志でした。

働く女性を描いた日常の美「夕暮」「晩秋」

「夕暮」や「晩秋」では、働く女性の凛とした姿が描かれていました。

淡々と日常の仕事をこなす中にある、女性のぶれない強さと美しさが感じられ、思わず見入ってしまいました。

日本画の色彩の魅力と、文化勲章

日本画は、絹や和紙に、天然の鉱石から作られた「岩絵具」や貝殻の粉を原料とする「胡粉」を使って描かれています。

松園の繊細で上品な発色、光を含んだような粒子感、そして空気感や湿度まで感じさせる色彩。

文化勲章を受賞した松園の言葉「この勲章は、私一人の栄誉というよりも、日本画というものに尽くしてきた長年の努力が認められこと、そして女性であっても描き続けることで道が開ける証だと思っております。」

「私は、絵を描いているときが一番幸せです」と、上村松園とてもかっこいい!

絵を描くことは、生きること

女性であること、絵を描くこと、それがどんなに難しい時代でも、信じた道を貫いた上村松園。

女性のプライド、尊厳、誇りの高さ、気高さ、女性の魂の美しさを感じることができました。
絵を通して松園の生き様に深く心を打たれました。

魂を込めて筆をとる。
その姿に、女性として、人として、生きる勇気をもらえる展示会でした。

グッズ

今回はどのようなグッズがあるのかと、楽しみにしておりました!

種類も豊富で、何か欲しいものが絶対に見つかる!そんな商品ラインナップでした。

ジャジャ〜ン!

お決まりの、ポストカードやマグネット、しおり、アクリルキーホルダー、クリアファイルなどはもちろん。Tシャツ、カバン、ヘアゴムなどもたくさんありました。

さくらクッキーや手まり飴など、可愛らしいお菓子も目を引きました。

まとめ

上村松園展では、絵そのものの美しさを超えて、ひとりの女性として、画家として、生き抜いた強さと誇りを感じることができました。

逆境に立たされながらも信念を貫いた彼女の姿勢に、現代を生きる私たちも大いに励まされるはずです。

美しいだけじゃない、魂のこもった日本画の世界。ぜひ多くの人に体験してほしい展示でした!

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